トレードノートを記すことは、FXトレードをすぐに改善するための最善策です。トレードノートは、失敗トレードの機会を減らします。それは、トレード開始前に戦略を書き留めるからです。トレードが終了したら、トレードノートを見直す事でFXトレードの利益を増やす為に戦略を変更する方法を見つけることが出来ます。

トレードノートとは

トレードノートには、トレード戦略、リスク管理、メンタルコントロールを含む全てのトレードプロセスをリストにする必要があります。優れたトレードノートは、どのようなトレードチャンスを待ち、どのようにストップとターゲットを設定するかを明確に整理し、理解します。

私は2つのトレードノートを作りました。最初に、100日分のトレードノートを含む本を書きました。この本はAmazonに掲載されています。

このFXトレード手帳の一部がこちらです。
こちらに記されている内容は記入例として本の中に掲載されています。

Turn Tradingに所属しているメンバーを更に支援するため、Turn Tradingではオンラインのトレードノート「ワークブック」を開発しました。これにより、講師がメンバーのトレードノートにアクセスし、トレードの改善方法について迅速なアドバイスを提供できるようになりました。Turn Tradingメンバー向けのオンラインのトレードノート「ワークブック」は、Amazonで販売しているFXトレード手帳に似ていますが、チャート添付をより簡易にさせたり等、オンラインならではのオリジナル機能が数多くあります。

ワークブックを使用しているメンバーが入力した内容の一部がこちらです。

メンバーのトレードはMT4から自動的にアップロードされるため、このワークブックは非常に便利に使用できます。トレードの記録が自動的に行われることから、トレード分析等も短時間で行えるようになり、トレード改善をよりスピーディに行え、トレード結果をより明確なデータとして客観視できるようになっています。メンバーも講師も同じ情報を共有する事で最近のトレード状況を把握する事ができ、講師からも適切なアドバイスを得る事ができます。

トレードノートレポートは、勝率、リスクリワードレシオ、最も収益性の高いマーケットの分析、曜日分析、時刻分析などを示します。

事前準備の仕方

ステップ1

損失限度額を決める

まず損失限度額を決めます。日、週、月毎の損失限度額を具体的に金額で決めます。そして損失限度額に達した時点でトレードをストップします。

そして利益目標額はあえて決めません。皆さんの働く企業や個人ビジネスでは利益目標額を決めて、目標達成に向けて頑張って働きますが、トレードでは利益目標額への頑張りや執着は破局の始まりとなります。利益目標額を決めずに損失限度額だけを決めることでギャンブルトレードを防止します。損失限度額に達したらトレードは終了です。マーケットから離れて頭を冷やし作戦を練り直したり気分転換
をします。

利益目標額はありませんので、チャンスのときはできる限りの利益を確保します。
例:一日当たりの損失許容限度額 US$150

ステップ2

資金管理ルールを決める

次にロットサイズ、損切り、利益確定のルールを決めます。損切りと利益確定ルールは損失限度額を考慮し、金額ではなく pips で決めます。Pipsとは最小値幅単位で、トレードするマーケットにより異なります。 Pipsとロットサイズを掛け合わせる事で実際の金額が計算できます。ロットサイズを大きくすれば取引金額が大きくなり、それに比例して損失も利益も大きくなります。

例えばユーロドル10万通貨の 1pips は $10 です。一日当たりの損失限度額を $150とすると、15pips 以上の損切りにはできません。利益確定は損切り以上を狙います。

プロトレーダーは損を最小にして利を最大にします。損切りを 15pips にしたら利益確定は 15pips 以上を狙います。実際の損切りと利益確定ルールはトレード直前のマーケットのボラティリティを見て調整、判断します。

ボラティリティが大きい場合は、すぐに損切りに達してしまうのでポジションサイズを小さくし損切り幅を広げます。仮に損切幅を広げた場合でも損失限度額を超えないように調整し、ルールを厳守していくことは何よりも重要です。

ステップ3

マーケットを分析する

チャートを見てマーケットの動きを把握します。デイトレードやスキャルピングの場合、日足、時間足、5分足と見ていきます。日足と時間足で大きなトレンドと注目すべきサポートやレジスタンスを明確にします。次に5分足で強いトレンドがでているのか、上り下がりを繰り返しているのかを把握します。

例えば年初来高値は世界中のトレーダーが注目している値で、その値を意識してトレーダーは売り手と買い手に分かれてトレードをします。世界中の人が意識しているのでその攻防は激しく取引量も多くなります。年初来高値を上抜き更に上昇を続けてその値がサポートになる場合もあるし、年初来高値がレジスタンスとなって跳ね返されて下落する場合もあります。年初来安値の場合も高値同様に安値を下抜き更に下落する場合もあれば、安値がサポートとなり、そこで跳ね返されて上昇に転じる場合もあります。

次にニュースと経済指標の発表予定を確認します。大手投資銀行やファンドは人工知能を用いてニュースを読み、瞬時に数千回の取引ができるコンピューターで大量の資金を使ってトレードしているので、個人がこのタイミングで勝負しても勝ち目はありません。経済指標の発表前には一度ポジションを手仕舞い、発表から5~10分経過後、マーケットが安定してからトレードを再開します。ニュースを調べるのは世界を揺るがすようなニュースがあったかどうかを知るためです。

イギリスの EU離脱選挙結果やトランプ米国大統領選勝利後は、どのマーケットも以前と全く異なる展開をしました。マーケット状況が変
わったときは、今まで使っていた戦略の根本的な見直しを終えるまでトレードを控えます。また、そのマーケット変動はマーケット毎に特有の反応を示します。マーケット間で強い相関関係を示すものや、そうでないものなど様々です。沢山の金融商品マーケットから自分のライフサイクルに合ったものを選び、集中してトレード経験を積むことが大切です。

ステップ4

戦略を決める

トレードは自分のライフサイクルと密接に関係しています。昼間は仕事や家事で忙しい人は夜のニューヨーク時間にのみトレードをするようにして、その時間帯に活発に動くマーケットを選択します。

トレードをする時間帯が決まったら順張りでトレードするのか、逆張りでトレードするのかを決め、どちらかのエントリーにのみ集中します。より多くのチャンスを逃さないようにするのではなく、集中して一つのチャンスをしっかりものにすればいいのです。トレードは多くすればするほど稼げるというわけではありません。

ステップ5

メンタルの準備をする

トレードに喜怒哀楽を持ち込むのは禁物です。メンタルを整えるのに必要なのは平静さと集中力です。トレード判断を鈍らせる感情を出さないための練習は不可欠です。

たとえば、家計のマネージメントで教わるのは衝動買いの回避です。予定外の買い物をしないように教えられます。また、ギャンブルには手をださないよう教えられてきたと思います。ギャンブルで損を取り戻す為に掛け金を倍々にして身の破滅を招いた話も耳にしたことがあるかと思います。人は頭に血が昇ると何をするかわからない生き物です。心を落ち着け、衝動やギャンブルから十分に距離を置いた環境でトレードすることが良い結果を得るために必要な条件です。

就業時間中の間隙をついたトレードや、家事の合間を縫ったトレードでは安定した良い結果を残し続けることは難しくなります。

ステップ6

ルールを守ってトレードする

トレードを始めたら自分で決めたルールを守ります。自分で決めたルールは会社で言えば企業理念であり就業規則です。規則は守る事により価値を生み出します。シンプルで実行しやすいルールを決め、それを守りトレードし続ければ良い結果が巡ってきます。ルールは書き出し、常に確認できるようにします。

例:負けトレード後は 5 分間の休憩を取る

トレードノート振り返りの要点

1

トレードルールを守ったか?

トレードルールを守れたかは、トレード結果の善し悪しより遥かに重要です。トレードルールとは事前準備で用意した計画です。計画を守らずその場の気分でトレードをするのは計画を台無しにするだけでなく、次のトレード改善の機会損失にもつながります。

交通ルールを守ることの重要性は大人も子供もよく知っているはずです。それは、ルール違反が一瞬で人の命を奪うことを理解しているからです。トレードも同じで一つのルール違反がこれまでの蓄えを一瞬で無くすのです。

2

トレードを振り返る

トレードをしながら同時にトレードを振り返ることはできません。トレード中はトレードに集中し、トレードを終えたらその都度振り返りをします。上手くいったこと、いかなかったこと、そして改善すべき点を見つけます。

トレードはスポーツととても似ています。スポーツもプレー中はプレーに集中します。そしてワンプレーの区切りで振り返りを行い修正していきます。テニスの錦織選手やゴルフの松山選手のプレーを思い浮かべてください。プレーへの集中と振り返りを繰り返す行動がよくわかります。

また、トレード毎に振り返る事で冷静さを保て、ギャンブルトレードの防止にもつながります。振り返りができないほど数多くトレードを行ってもトレード向上にはなりません。トレードは経験が必要ではあるものの、振り返りを行い次回トレードの改善をしていく工程を抜いては上達は見込めないのです。

3

改善点を見つける

トレードの振り返りからマーケットの変化に気づき、新しい戦略を見つけ出すこともできます。マーケットは常に変化しているので同じ戦略をずっと変更せず使い続けることはできません。マーケットの変化に適応して戦略を変更できる能力がトレードの勝敗を決めます。

アメリカ大統領選でトランプ候補の勝利は世界中のメデイアの予想を覆すも改善点を見つけるのでした。選挙速報を反映してクリントン候補の劣勢が伝えられると初めは下げていたドル円と株価はトランプ候補の勝利が見えてくると税率削減、インフラ投資、規制撤廃の政策の評価が進み金利が上がり、ドル全面高となり株価も急進しました。選挙前のメディアが全くふれていない値動きとなりました。

大統領選のようにマーケットに大きな変化をもたらしているときのトレードは避けるようにします。また、大きな変化の後はそれまでの経験が通用しなくなるので、新しい戦略を見つけられるまでトレードを控えることも賢明です。

4

プロセスを振り返る

トレードの振り返りは損益分析とは別に行ないます。損益分析はあくまで結果なので、トレードの振り返りでは結果を引き起こしたプロセスを徹底的に分析します。トレードで負けた日は振り返る気も起きないと思いますが、失敗から学ぶことは成功につながる近道です。頑張りましょう。
5

明確に記録する

一日のトレードの終わりには何がよくて、何が悪かったのか、改善することは何かなどを記録しましょう。一つ一つのトレードはトレードが終わるごとに記録します。そしてトレード終了時に一日分を総括して記録します。総括は日、週、月、年で行ないます。

人工知能も自然言語処理と機械学習で人間の脳に近づきました。人間の認識と判断は脳に蓄積された知識と経験からなされます。人工知能も蓄積された知識とアルゴリズムで認識と判断します。記録という経験を知識として蓄積することで、振り返りというアルゴリズム行為により新しい考えが生まれます。

IBM の人工知能ワトソンは膨大な研究論文、臨床データ、カルテを理解して患者の治療方法を医者に推奨します。研究論文、臨床データ、カルテはすべて記録です。

トレードにおいての人工知能はトレード経験者の頭脳です。研究論文はニュース、アナリストのレポート、各種インディケーターです。バックテストはツールにあたります。臨床データはトレードデータ、カルテはワークブックにあたります。トレードデータをこのワークブックに記録し続けることで、自分にとって最適なカルテ、教科書が完成します。そして、これはあなたのトレード人生において最高の財産となります。何度でも読み返しましょう。

トレードノート振り返りの仕方

1

チェックする

書き出したトレードルールを守れたかどうかチェックします。毎日トレード終了時にルールに従ったかどうかチェックをしたり、何%ルールに従えたかを書き留めたりします。これを続けることで自分のトレードパターンやルールを破る時の癖を知ることができます。 

例:負けトレードが発生した後、5 分間の休憩をしたか?  はい・いいえ

2

書く

何がよくて、何が悪かったのか、何を改善するべきかを書き出します。次回のトレード目標もあわせて設定すると目標達成のために今後どうするべきなのかも考えられ、それがプロセス改善に役立ち、安定したトレード結果を残せるようになります。
3

チャートを見直す

トレード終了後にチャートを見直します。後から振り返ることで、トレード中に見逃したセットアップやパターンの有無などを確認します。ポジションを持つと受けるプレッシャーから解放された冷静な状態で改めてチャートを見直すと、新たな発見ができます。

しかしながら、トレードの事前準備と振り返りの重要さは理解できるものの「言うは易し行うは難し」の諺通り、始めのうちは毎日継続していくことは難しいものです。しかし一週間、二週間と継続的に取り組むことでその先は苦にならず記録できるようになります。トレード記録はあなたのトレーダー人生の宝になります。記録を読み返す事で、人まねではない新しい発想が生まれます。これら経験の積み重ねと変化への適応力がトレーダーを成功に導きます。

トレードノートメリット

メリット1

ギャンブルトレードがなくなる

トレードノートを使用することで、ギャンブルトレードの可能性が減少します。あなたが行う全てのトレードがトレードノートにあるはずだからです。トレードノートにあるトレード戦略に従うことで、トレードパフォーマンスが向上します。
メリット2

一日の最初のトレードで負けが減る

トレードノートは、トレードを開始する前に十分に準備するのに役立ちます。 時間をかけてマーケットを分析し、戦略を書き留めておくと、最初のトレードが利益を生む可能性が高くなります。
メリット3

ワークライフバランスがよくなる

いつトレードするつもりなのかをトレードノートに書き留めることは、オーバートレードを避ける為に重要です。いつトレードするつもりなのかを決めておかないと損失を取りかえそうとして、あまりにも長くトレードするという事を簡単にしてしまいます。マーケットが活発な時にトレードする場合、トレードで一貫した収益を上げるには1日1時間のトレードで十分です。

メリット4

損失から学ぶ

すべてのトレードを記したトレードノートがあると、なぜ損をするのかを理解できます。損失から学ぶことは、同じ間違いをするのを防ぐのに役立つので、トレーディングの最も重要な部分です。
メリット5

ニュースや経済指標の発表での損失がなくなる

経済発表の前にポジションを保持することは非常にリスクを伴う可能性があるため、通常、デイトレードの場合、経済発表の前にトレードを終了するのが最善です。トレードノートに経済発表の時期を書き留めておけば、準備は万全です。 また、ニュースをチェックすると、今日のマーケットの状況に合わせてトレードスタイルを調整するのに役立ちます。
メリット6

詳細なアドバイスを受ける

あなたのトレードをノートに記入することにより、他の人々があなたのトレード戦略を理解し、あなたの戦略を改善するのを助けることができます。戦略を理解している人から詳細なアドバイスを受けると、パフォーマンスを大幅に向上させることができます。

トレードノートの例

以下は、ターントレーディングの生徒が書き留めた様々なトレードノートの例です。全てのメンバーは、他のメンバーが毎日どのようにトレードするかを確認できるため、自身のトレードを改善する方法を学ぶのに役立ちます。

トレードを他のトレーダーと共有することは、トレード時の規律とモチベーションを高める優れた方法です。

アドバイス

最初、トレードノートを使用することは困難で時間がかかる可能性がありますが、数週間後には簡単になります。トレードノートを使用すると、より多くのトレードがビジネスのようになり、あなたがプロのトレーダーになるのに役立ちます。他のトレーダーにあなたのトレードノートを見てもらう事は、あなたのトレードプロセスを改善し、パフォーマンスを迅速に向上させるのに役立ちます。

短期的な結果でトレード実績を判断しないでください。辛抱強く、優れたトレードプロセスを構築してください。そうすれば、トレーダーとして成功するでしょう。トレーディングスキルを向上させる方法を見つけるのに役立つため、トレーディングノートを定期的に確認してください。

記事はデモ口座及び会社資金を運用するGYM会員に向けた内容で個人資金の運用者向けの内容ではありません。GYMに入会されずに記事内容を参考にして自己資金でトレードをされる場合は必ずご自身で検証の上判断されますようお願い致します。従いまして自己資金でのトレード結果には一切の責任を負いませんので予めご了承ください。

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